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百聞は一見に如かず・第十回
「車いすツインバスケットボールチーム・太陽の家Feder」

車いすツインバスケットボールという競技をご存知でしょうか?頚椎(けいつい)損傷などの障害を持つ方が車いすに乗って行うバスケットボール競技のひとつです。全国に50程あるツインバスケチームにおいて、今回うかがったフェダーはまだ若く実力も未熟なチーム・・。 しかし選手たちの努力により着実にレベルアップしているというフェダー の練習風景を拝見させていただきました。

フェダーは週に一度、夕方から夜にかけて練習を行っています。 実は僕はこの車いすバスケの活動はどちらかと言うとレクリエーション、言わばお遊びのようなものをイメージしていたのですが、実際はそんなものではありませんでした。先に述べたようにフェダーは弱小チームなので、他の強豪チームからコーチ・何人かの選手も参加されていまして練習は本格的なものです。


白熱の練習風景。チームワークは抜群!?

PM7:00、軽快なリズムのBGMと共に合同練習がはじまります。まずは「ファイト!」の掛け声で体育館内を車いすで駆け回りウォーミングアップ、これだけでもそこそこハードに見えました。コーチの指導のもと、体育館往復ダッシュ3周×2回・二人一組でクロスしながらパス・紅白試合などの練習を経てプログラム終了。11月の体育館内はけっこうひんやりしていましたが、選手の多くは半そでTシャツかトレーナーを腕からまくり上げていた、と言えば練習の激しさを少しはわかっていただけるでしょうか?

ボランティアの方の役目は、練習前後には選手の車いすへの移乗のお手伝いや、腕を支持するためのテーピングなど。難しいことではありませんが、選手の方には必要なサポートです。
練習が始まれば、玉拾いなどをしながら、選手に声をかけて雰囲気作り。そしてなんと、ご希望があれば、選手と一緒に「マシン」に乗ってプレイすることも可能。ひとたび体験すれば、このスポーツの激しさ、厳しさ、そして楽しさが実感できるのではないでしょうか。

ボランティア文野重徳さんのお話

文野さんは一年ほどフェダーでボランティア活動をされていて、現在は介助的なサポートから練習プログラムの作成・そして自ら車いすに乗って他の選手と共に練習に参加するなどフェダーにとって無くてはならない存在となっています。そんな文野さんにお話を伺いました。

「このボランティアをはじめたきっかけは車いすバスケ、特に重度障害者が参加するというツインバスケに興味があったからです。現在のフェダーはまだ試合に臨めるレベルではなく、まず絆を強くするという段階です。活動において楽しいことは本音を言うとあまりありません(笑)、ただ自分の視野が広がり、障害者の方に対して理解を深められる、ということでいい経験ができていると思います。障害者の選手の目線に立ち、健常者である自分の知識をどう生かしていくかが難しいですね。」
これからこのボランティアに参加していただける方について
「短期とかでも構いませんができるだけ深く関わっていただきたいですね。雰囲気に溶け込めるかが大事だと思います。」
最後にフェダーの目標を力強く語っていただきました!
「まだまだ若いチームですが、実りのある練習をして試合に結び付けていきたいです!」


円陣を組んで最後の気合入れ!

岩淵恵太選手・池田勇太選手のお話

練習後、選手の方々にもお話を伺いました。なかなかハードな練習だったので、つらくはないですか?と訊いてみたところ
「全然です。今日はまだ楽なぐらい。」(岩淵選手)
それでは楽しいことは?
「昔はメンバーがもっと少なかったので少しでもメンバーが増え、こうやってツインバスケができること自体が楽しいです。」(池田選手)
ズバリ今後の目標は?
「まずは試合に出ることです。」(池田選手)
「もちろん全国大会優勝!」(岩淵選手)
フェダーはまだまだこれからのツインバスケチーム。皆さんもボランティアという立場でサポートしてみませんか?

今回、初めての取材ということで色々と失礼な点も多々あったと思います。
そんな中、丁寧な説明をしていただきましたフェダーの遠藤さんをはじめ、ボランティアの文野さん・コーチスタッフさん・介護者の方々・そして、選手の皆さんに感謝します。
ありがとうございました!

(本文:せがわ、編集・撮影:ひめの)

京都太陽の家Feder
南区上鳥羽塔ノ森上河原37-2太陽の家
TEL:(0774)72-9349(自宅)、(090)1589-1259(携帯)
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