HOME > これまでの記事など > 33号 > ボランティアレポート「京都新聞ふれあいレクリエーション2005〜知的障害者とともに〜」

ボランティアレポート「京都新聞ふれあいレクリエーション2005〜知的障害者とともに〜」

最近ボランティアといえばこの季刊ボランティアのスタッフくらいしかやってなかった私ですが、このたび知的障害を持つ青年の方との旅行、“京都新聞ふれあいレクリエーション”(2005年8月7〜9日)にボランティアワーカーとして参加してきました。
この“ふれレク”、障害者の方3班15名にそれぞれボランティアの介助者がつき、プラス各班にグループリーダーがつくという形で行われました。つまり私はその介助者の1人として参加したわけです。
出発当日の8月7日朝。いくら数年知的障害者のガイドヘルパーをやっていて(現在休止状態だけど)、担当の人とも一度顔合わせで会っているとはいえ、初めての人を介助するのは緊張するもの。その人その人で性格や障害の程度は違うし、実際についてみるまでは分からないことも多いのです。しかも知的障害の方の宿泊介助は初めて、ときたもので実はちょっと不安もありました。

私達の構成班
参加者(障害者)担当介助者
RくんTさん
DくんMさん
Jくん
その他、女性2組とグループリーダーさん(女性)の計11名。

それでもまあ担当のJくんはおとなしいタイプみたいだし何とかなるやろ、と集合場所の京都駅へ。多動タイプの人だと気が抜けませんけどね。すぐどっか行っちゃう人もいるし。
集合場所で顔合わせには来られなかったワーカーのTさんとあいさつ。どうやらうちの班で一番「騒々しい」Rくんの担当らしい。話を聞くと、どうも介助の経験はないということで、何やらいきなり波瀾(?)の予感。普通ならこういう人には経験者がつきそうなものなんですが……落ち着きはないけどすぐパニックになるタイプではなさそうだし、「これも経験」ということで担当になったのかも。
まずは自分もJくんに慣れないといけないということで、たぶん彼の介助の手伝いもせなあかんやろなあと思いつつ、とりあえず様子をみることにしました。

8:30頃、バス出発。私たちの班は男性3名・女性2名の構成(それぞれに同性の介助者がつく)。それにグループリーダーさんを加え、全員で11人です。この班全体でバスの後方に陣取ったのですが、いきなりバスやや前方が騒がしい。どうやら参加者さんの1人が、持ってくるはずだった帽子を忘れたのに気付いてパニくってしまったらしい。
Oh! 早速トラブルかい!
知的障害の人はこんなちょっとしたきっかけでややこしいことになるから怖い。逆にいえばそれさえなければ、どうってことなく過ごせるんですけれども。

何とかパニックも収まり、バスは一路初日の目的地・蒜山(ひるぜん)へ。岡山県の北部、鳥取との県境にある山です。
バス内では、まだJくんはやや緊張した様子。もともとほとんどしゃべれないらしいのですが、それにしてもこちらの言葉への反応が悪い。無理に話しかけるのも余計緊張させるかもしれないので、とりあえずは自然にコミュニケーションが取れるようになるのを待つことにしました。
そしてRくんはというと……案の定、大きな声でず〜っと何かしゃべってる。まあ席には座ってるから大丈夫かなあと思いつつもTさん大丈夫かい!?、みたいな感じでした。

12:00頃、昼食の場所である蒜山高原センター着。どうやら昼食はジンギスカンらしい。他にも「ジンギスカン」を売りにしてる店があったし、車窓からは見えなかったけど、この辺ではジャージー牛乳の乳牛以外に羊も飼っているのだろうか。

店に入ると、やはりRくんダッシュ! 油断も隙もねえ……Tさん、とにかく離れないようにがんばれ〜こちらのJくんはゆっくりなので、逆に置いていかないように気をつけなきゃいけないくらい。リズムが全然違うから一緒に動くのが難しい。

そうこうしながら着席。ジンギスカンを焼き始める。ここでJくんに置いてあった紙エプロンを着けようとするも、どうも嫌がってすぐ外しちゃう。朝名札を掛けた時も嫌がって外しちゃったし、どうやら首の周りに何か掛けるというのがお気に召さないらしい。こういう性格というか癖は実際ついてみないと分からないことが多いんですよね。そういうのを一つ一つ把握して、その積み重ねで介助がスムーズになっていくわけです。
肝心の食事の方も、好きだと聞いてたご飯だけじゃなく、ゆっくりながらもお肉も食べてくれて一安心。どうやら自分のリズムで食べさせれば大丈夫っぽい。
やはり問題はRくんの方。食事中もとにかく動く動く。食べ始めはまだいいのだけれど、ちょっと経つとすぐ席を立ってあちこち動き回る。いちいち連れ戻さないといけないので、これじゃなかなか介助者は食べづらいか?とも思いましたが、とりあえずここはTさんも食事できる程度に収まりました。むしろ他の班とか方がまだ慣れずにうまく食事できない人もいたようです。というわけで、我々はしっかりジンギスカンを堪能してしまいました。実はこのRくんの多動癖、まだまだ序の口だったんですね。まだこの時にはその先の苦労を分かってませんでした……

昼食後は、蒜山の展望台など周辺をバスで巡りました。
このあたりから、Jくんも私に慣れてきた様子。ちょっとずつ、Jくんの方からこちらへ話し掛けようとしたり、コミュニケーションを取ろうとしてくれるようになりました。相性が悪いと全然なついてくれないこともありうるのですが、まずはこれで一安心といったところ。


参加者の皆さんと蒜山の風景。天気もよく、はればれ〜

とまあ、このあたりは平穏無事に過ぎ、16:00頃にはその日のお宿に到着。
夕食までは自由時間。我々はまず温泉使用のお風呂に入ることに。Jくんはどこまで入浴を自分でできるかとみていたら、多少時間が掛かりはするものの、だいたい大丈夫な様子。体も頭も自分で洗えるようです。
問題はやはりRくん。広いお風呂の中をウロウロうろうろ…全くもう、汗をかいてるんだか流してるんだかわからねー! でもとりあえずはこけたりもせず、無事終了。ふうっ。

さて夕食の時間。ここはバイキング形式。むむむ、これは一緒に食べ物を取りに行くとゆーところまでせなあかんのやな…でも、お刺身まであるやん♪ 思い切り食うたるでえー
そして食料の調達。色々ありすぎて困るかと思いきや、Jくんに関しては好きなものを適量、という感じで手が掛からない。Rくんもまずは大丈夫そうだ。
だがしかし。Rくんが本領を発揮したのはここからだった。
最初数口は座って食べていたのだが、気が付くとすっと立ち上がって動き回る。食事の置いてある方に行ったり、出入口の方へ行ったり…何とか捕まえてもう一度座って食事をしてもらうのですが、またすぐに立ち上がってどこか行っちゃう。部屋の中ならいいのだけれど、食堂では他のお客さんもいるし、出入口を出ちゃうと行方不明になっちゃうかも、ということで我々介助者もダッシュで引き留め。当然汗だく。せっかく風呂入ったのになあ、もう。
これでは介助者はろくに食事できない!というところで、幸いこちらのJくんはゆっくりおとなしく食べてくれるので、Tさんに私やグループリーダーさんも加わって引き留めに当たって何とか食事の時間を確保。食事しながら何本もダッシュをやったのは初めてでした…しかもRくんはでかいので、けっこう引き戻すだけでも体力使うんですよね。それでもちゃんとデザートまで頂いた我々(もちろん参加者も介助者も両方)もなかなか大したものです。Tさんはコーヒーまでは飲めなかったようだけども。

ゆっくり食事を終えたJくんと部屋に戻る。Rくんも先ほどよりは落ち着いている様子。と、そのうちテレビでアニメの「ワンピース」が始まりました。するとどうでしょう! Jくんはもちろん、Rくんまでおとなしくテレビを見ているではないですか! 結局寝ているとき以外Rくんがおとなしかったのは、このときだけでした。恐るべしワンピース。
アニメの途中でしたが、集合時間になったので駐車場横に集まって花火。Jくんは吹き出し花火に驚いたりしながらも、なかなか楽しんでくれていたみたい。ロウソクの火は何度も消しちゃったけど、まあいいよね。
そしてRくんの方はというと…やはりおとなしく花火を持って、というわけにはいかなかったみたいで、駐車場の外から介助者Tさんと一緒に戻る姿が。暗かったら怖がってウロウロしないかとも期待したんですが、そんなことは関係なく広いところでは特に動きたくなるみたい。普段と違う環境で興奮してるのもあるだろうなあ。
他の参加者さんを見てみると、さすがに外まで行っちゃう人はそういないけれど、花火を楽しんでる人もいれば、あまり興味がないという感じの人もいたり。まあこの辺は全員に合わせるのも無理な話で仕方ないか。
そしてどーにかこーにか、煙に巻かれながら、部屋に戻る。あとは班の介助者でのミーティングの他は、就寝まで自由時間。部屋はJくん&私、Rくん&Tさんの4人部屋。就寝にどれくらい掛かるか分からないし、とりあえず就寝の準備を各自で行ってもらうことに。テレビ見ようとしたりしないでこの辺の指示にはおとなしく従ってくれたのは、ありがたかったですね。人によっては興奮してそれどころじゃなかった部屋もあったようですから。
でも案の定、時間が来てもそう簡単には寝付いてくれない。Jくんは寝れなくても静かなんですが、Rくんはずうっと何かしゃべってる。それもつぶやいてるのではなく、はっきりとした声で。こちらも一緒に寝ているふりをして、安心させようとするのですがなかなかうまくいかない。特に問題はJくんがその声でよけい寝られないこと。ちょっとイライラしてきた感じもするし…今夜は大丈夫かいな。
とりあえずこのままではいつ寝られるかわからないということで、介助者の2人は交代で改めて入浴&全体のスタッフミーティングに参加することに。というわけで、スタッフミーティング(この時間は介助者やスタッフさんの時間!ということでお酒を頂いたりもします)には最初行けなかった私…でもちゃっかりビールだけTさんに取ってきてもらってたりする。このへんはキャリアのせいで図太いです。でもまあ、自分で楽しむことも考えないともちませんからね。もちろん、本末転倒になって介助がおろそかになっちゃ話にならないんですが。
でそのビールをちびちびやりながら、障子1枚隔てた窓際のスペースで寝付くのを待つこと1時間くらいだったでしょうか。ようやく少しずつ声も減ってきて、落ち着いてきたみたい。そして23時過ぎ頃、ようやく2人とも寝てくれたのです。良かった…
本来の就寝時間(21時)のちょっと前から布団に入っていたのでかれこれ2時間半くらい。長かった…と思ってミーティングへ行ったらそんなのはどうやら序の口だったみたい。ミーティングに来られた人自体、全体の3分の1くらいだったのでは。特に初日だっただけに、なかなか寝られない人が多かったようです。 というわけで、ミーティングはさしたる盛り上がりもなく、粛々と(?)初日を終えたのでした。

2日目。起床は7時なのに、6時半から誰かの携帯電話のアラーム音が…誰だ!と思ったら、どうやらRくんのらしい。着うたが何曲も何曲も鳴る。でもRくんは起きない。他の3人は完全に目を覚まされているというのに…こいつぁー大物だね!
しばらくして音が止まる。どうやら電池が切れたらしい。いまだRくんは起きない。

気が付けば7時。当然Rくんはまだお休み中。仕方ないので、Tさんと一緒に起こしにかかる。
ごろんごろんごろん。
何回転かしたらようやくお目覚め。ほいほいほいと促して、さあ朝食だ。

で、朝食のバイキング。Rくんはまだエンジンが掛かりきらないのか、昨晩ほどの動きではない。とりあえずほっとする。Jくんは相変わらずのペース。牛乳が好きみたいで、3杯も飲んじゃいました。いや、実際おいしい牛乳でした。もしかしてJくん、違いの分かる男?

そして宿を出発、鳥取県は境港へ。水木しげるロード〜水木しげる記念館へ。
こ〜れが、とにかく、暑い!引率とかそんなの関係なく、とにかく暑いのなんの。
この暑さでRくんはエンジンが掛かったのか、またもや、やや暴走気味。記念館に着いてももなかなか収まってくれない…。Jくんは逆に暑さにやられたのか、記念館に入ってもぐずってなかなか進んでくれない。
というわけでゆっくり記念館の観光はできず。彼らに妖怪はちょっと怖かったのかな。中には座り込んじゃって進めなくなっちゃう子もいたし…まあ、好き嫌いはありますからね。

そうこうしつつ、昼食〜次の目的地である燕趙園(中国庭園)へ。
本当はそこで行われる雑技団の公演を見るはずだったんですが、昼食が出てくるのが異常に遅く、結局時間に間に合わず。くそ〜っっ!!
どことは言わないけど、めっちゃむかつくっちゅ〜ねん!!
仕方ないので、とりあえずみんなでお散歩。私は途中までTさんにJくんの介助を代わり、Rくんと2人で肩を組んでるんるん♪
途中でJくんとのペアに戻り、出口へ。あんまり暑いので、冷たい飲み物を自販機で買うことに。ここでぷちトラブル。自販機にいくらお金を入れても戻ってくる。それでJくん、イライラきちゃって財布を地面に投げつけちゃった。普段温厚なので、ちょっとびっくり。まあでもそんなこともあるかな、とすぐ納得してしまうのが、経験者の強みではありました。
ここは落ち着いて“梨ソフト”を食べながら彼を何とかなだめて、別の自販機でジュースを購入。帰りのバスに乗り込み、本日の宿へと向かったのでした。

さあ、この日のお宿は東郷湖畔の温泉宿。ロビーもきれいでしたが、入った部屋がまた広い! 6人入っても全然余裕。和室なんですが窓際にはソファーまであって、ゴージャスごーじゃす。
まあ、また夜繰り広げられるであろう戦いはどんな部屋でもそう変わりないのは分かってるんですけど…
このお宿には何と湖上に露天風呂があります。しかも入浴中に温泉卵まで作れるというオマケつき。
とゆーわけで、早速Jくん&Rくんを連れて我々介助者も入浴! 蒸し暑かったけど、それでも湯上がりの風は気持ちいい〜
Rくんもウロウロはするけれど、風呂場は狭いし湖に落ちる気配もなかったので(?)安心して入浴できました。まあ昨日の苦労に比べればね…

そしてさっぱりして夕食。カニがメインのごーじゃすディナー!でもJくんやRくんはめんどくさいのか、普段食べるものでなくて不安なのか、あまり手をつけない。Jくんにむいてあげようかと聞いてみたけれど、それもして欲しくない様子。まあ仕様がない、ここは食べられるモノを食べていただきましょう。
Rくんは食欲旺盛。ご飯もお代わり。ハンバーグ(たぶんスタッフの人が気を使ってそういう食べやすいメニューを加えてもらっていたのだと思います)なんか私の分も分けてあげたりして。
もちろん行動力の方も旺盛。ちょっとお腹がふくれるとすぐ立ち上がって動き回る。前日と違って広間に私たちのグループだけだったので、まだ対処しやすかったですが…この時もグループリーダーさんとかにも協力してもらって食事を続けたのでした。
Jくんの方は、ゆっくりゆっくりゆ〜っくり。そんなに多くは食べられませんでしたが、本人は満足した様子。部屋に戻るのは最後になっちゃいましたが、自分たちだけになっても全く動じない。彼もなかなか大物かも知れませぬ。

そんなこんなで満腹になって部屋に戻ると、今夜は同じ部屋のDくん、宿についてから砂いじりに興じていたのですが、ちょっとした行き違いでパニックを起こしてしまったという報告が。どうしても自閉症の子だとこういう危険は多いのですが…
とにかくこちらはこちらで担当の子もいるし、引率のスタッフさんはこういう時のためにいてらっしゃるわけで、Dくんの方はお任せしてこちらは部屋で待機。
というか特にやることもないので、8時頃には早くも寝る準備を完了。どうせそう簡単には寝てもらえないですから、当然といえば当然の策。
そのうち落ち着いてお風呂にも入ってきれいになったDくんと担当のMさんが戻ってきました。さすがにMさんは心身ともにお疲れの様子。ほんとお疲れ様でした…といいつつ、まだ寝かしつけが残ってはいるんですけど。

途中で班の介助者でミーティングを行ったりしながら、みんなの就寝を待ちました。今夜はみんな慣れもあってか、昨日よりは早く寝静まってくれました。Dくんはちょっと遅かったみたいですが、あとの2人は10時過ぎには寝ていたようです。
というわけで、MさんがDくんに添い寝してくれているので、Tさんと私はお先に失礼してスタッフミーティングへ。
この日は前日より人数も多く、他の班の介助者の人ともだいぶ話すことができました。まあこういった人間関係の広がりもボランティアの大きな楽しみですね。まあ、私は後半はほとんどスタッフさんと話しこんでいて特に広がりはなかったのですが(!?)。
途中、MさんもDくんを寝かしつけてミーティングに参加できました。Mさん自身も疲れて一緒にちょっと寝ていたようですが…ほんまお疲れさまでした!

3日目、最終日の朝を迎えました。前日で大体の感じは分かっていたので、順調(?)に起床〜朝ごはんへ。多少のバタバタはありましたが、昨夜に比べれば楽に食事も済みました。
そして宿を出発。日本海沿いをバスは進みます。


鳥取砂丘にて。画面からあの暑さが伝わらないのが悔しい…

お昼前、鳥取砂丘に到着。みんなで散策です。Jくんも海の方まで行くことにしました。
しかしこれが暑い! 汗だらだら! しかも最後の方は坂になっていて、結構キツい…Jくんは1人ではしんどいところもあって時々手を貸してあげたりしながら、何とか海の見える小高いところまで到達。僕らはそこで力尽きて、そこでとりあえず休憩。
でも中にはそこからの急坂を降りて、海岸まで行く人たちも。すげえ! だってこけたらそのまま落ちそうやで〜
一服して帰途、Rくんの姿が。Tさんを振り切ってどんどん行っちゃいそうになってる。この暑いのに相変わらず元気だ。うむ。
こちらは駐車場の方まで戻ってJくんと水分補給や足を洗ったりしながら、お休み。はあ、疲れた〜
そしてみんな揃ったところで、昼食となりました。

無事、というよりいつも通りバタバタしながら昼食も終了。これで目的地はすべて回ったし、あとはバスから景色でも見ながら京都までのんびり…と思っていたらこれが大間違い。まだ最後の試練が待ち受けていたのです。
介助者は、僕をはじめ、もうみんな疲れているだろうし、バスでも多分寝てくれるんじゃないかと楽観的に考えていた(はず)のです。そして実際うちの班でも、Jくんはもちろん、Dくんもおとなしくしていました。だがしかし、だがしかし。Rくんは違ったのです。昨日はバスの中で少し寝たりしていたし、今日も大丈夫だろうと思っていたのですが…
ところがこの日の彼は、どうもじっとできない気分だったようで、とにかく席から立ち上がる、車内を動き回ろうとする。Tさんはじめ、同じ列の介助者が何とか抑えるのですが、もうこれがキリがない。肩を組んだりしてスキンシップを取ると少し落ち着くのですが、それも長くは続かない。何せRくんは体も大きくて力も強いし、これには体力も要る。結局途中から前の列にいた私も後ろのリーダーさんと代わって、男性介助者で京都に着くまで交互に彼を説得(?)し続けたのでした。はあ〜、疲れた…

というわけで、多少のトラブルはありましたが(でもまあ想定の範囲内というやつで。もちろんないに越したことはないのですが)、何とか全員帰還。解散と相成りました。
私もJくんを無事ご家族に返すことができ、ほっと一息。
温泉も入れたし、ご飯もおいしかったし、何よりみんなの笑顔も見られて楽しい旅行でした。

とまあ、だらだらと旅行記を書いてきたわけですが、少しは「現場」の様子は感じていただけたでしょうか(もちろんイベントそれぞれで待遇や雰囲気は全く変わってきますが)。
ボランティアの介助旅行、こんな風にちょっと不自由はありますが、介助や障害者に接する経験にもなりますし、何といってもお金をかけずに旅行できます(←さすがにちょっとやらしい?)。障害のあるなしにかかわらず、いろんな仲間も増えますし。特に身体障害の場合、ぜひゆっくり障害者の方と話し合ってほしいですね。普段見えなかったものが、きっといろいろと見えてくるはずです。

ページトップへ