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バイオディーゼル燃料って知っていますか?

バイオディーゼル燃料とは?

従来からトラックやバスなどの多くにディーゼルエンジンが使用されているのはご存知でしょうか? 主に植物の含有油脂を原料とし、ディーゼルエンジンを稼動させる燃料、それがバイオディーゼル燃料です。 一言でバイオディーゼルと言っても実は色々な種類があり、中でもナタネ・大豆・ひまわり・パーム由来の油とメタノールを原料として合成したメチルエステルが最も代表的なもので実質的にはバイオディーゼル燃料の代名詞ともなっているものです。 その他にも、エチルエステルやトリグリセライドと呼ばれるものもあります。

バイオディーゼル燃料の必要性

人類、いや地球に生きるすべての生き物にとって重要な問題である地球温暖化現象。 地球温暖化の原因は色々ありますが、そのひとつに車の排気ガスがあげられます。特に軽油などのディーゼル燃料は多くの二酸化炭素を排出してしまいますので地球温暖化の大敵と言えるでしょう。 実はバイオディーゼル燃料も二酸化炭素を排出するのですが、元々大気中の二酸化炭素を吸収する植物を原料としているため、排出した二酸化炭素は再び植物が吸収しそれをまた燃料の原料にする、というサイクルが地上の二酸化炭素の絶対量を増加させないという考えになるのです。

バイオディーゼル燃料の現状

まず世界においてのバイオディーゼル燃料の取り組みですが、多くの国がメチルエステルをバイオディーゼル燃料の規格としています。 アメリカやヨーロッパでは環境問題だけではなく、生産農家の救済目的もあるようです。 余剰に生産された植物をバイオディーゼル燃料に利用することで農家も経営的に潤うというシステムが確立されています。 日本では主に廃食用植物油を利用することでリサイクルの意味合いもあります。 ただ、現時点でバイオディーゼル燃料の規格化がされていませんが、メチルエステル燃料を5%含ませた混合軽油をJIS規格とする取り組みが行われているようです。 また、国土交通省では2004年にバイオマス燃料対応自動車開発促進事業検討会を設置し、バイオディーゼル燃料専用車の開発も進まれています。

京都府の取り組み

京都府のバイオディーゼル燃料の取り組みは京都議定書が原点にあるといえるでしょう。 京都市でも京都議定書の採択後、バイオディーゼル燃料を使用する動きがあり、1997年にごみ収集車の燃料に使用、翌年には市バスの一部に20%混合した燃料の使用を実施しています。現在年間150万リットルのバイオディーゼル燃料を使用することで年間推定約4千トンの二酸化炭素を削減するとされています。 1997年より家庭の廃食油のモデル回収を実施し、順次回収拠点を拡大させ、現在では市内約800拠点まで拡がっています。年間約13万リットルが回収されていますが市の想定回収量としては、おおよそ約300世帯に一箇所の回収拠点を設置すれば約45万リットルが見込まれています。約20世帯に一箇所の回収拠点を設置することができれば約150万リットルまで回収量を伸ばせるとも推定されています。

今後の課題

バイオディーゼル燃料の品質において、原料の廃食油の劣化があまり大きいと燃料の能率が悪くなることが懸念されています。劣化の進んだ廃食油と比較的劣化の進んでいない廃食油との原料段階での混合による均等化を考慮することが重要となります。 また、日本でのバイオディーゼル燃料の規格化がされていない、軽油使用を前提としたディーゼルエンジン車両への使用は原則メーカー保証は得られないなどの問題があり、自動車メーカーも適合車両の開発に本格的に踏み込めないのが現状のようです。

地球温暖化問題が急務といえる我々人類には、早急にバイオディーゼル燃料の普及が望まれます。

フィールドテクノロジー研究室ホームページへようこそ
http://www.h5.dion.ne.jp/~winery/baiod.htm
バイオディーゼル燃料化事業 京都市環境局施設部施設整備
http://www.city.kyoto.jp/kankyo/shisetsubu/shisetsuseibi/20biofuel01.htm

上記のウェブサイトを参考に作成いたしました。

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