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ご存じですか?マタニティマーク
〜みんな気付いて!妊婦さんのしるし〜

あなたは「マタニティマーク」というものをご存じでしょうか。これはその名のとおり妊婦さんを示すためのマークなのですが、あまり知られてはいないようです。私自身、知人が妊娠した際に「こういうものがあるよ」と教えられるまで、マタニティマークのことを知りませんでした。
たいていの人はバスや電車に乗るとき、特に優先座席に座ろうとするときなどは周りに高齢者の方や身体障害者の方がいないか気になるもの。でも普段から妊婦さんがいないかなと意識する人は少ないのではないでしょうか。仮に妊婦さんかなと思っても、妊娠しているかどうかはた目からははっきりわからないことも多いので、席を譲ることをためらうこともあるでしょう。そうなってはせっかくの気持ちも台無しです。

一口に妊婦さんといっても、臨月も近いようなお腹の大きな女性から妊娠初期のお腹の目立たない女性まで、いろいろです。特に妊娠初期にはつわりの不快な症状が出やすく、肉体的にも精神的にも辛い時期。したがって電車・バスなどで席を譲ったりする必要が高いのです。また受動喫煙は妊婦さんにとって大敵。喫煙可能場所だからといって、妊婦さんのそばでタバコを吸うのはNG。にもかかわらず、妊婦さんかどうかはっきりわからないと周りもアクションを起こしにくい…ということで考案されたのがマタニティマーク、というわけです。

その必要性から、各地方自治体や民間団体などがそれぞれマタニティマークを制作し、普及に努めてきました。またそれらの取り組みを受け、少子高齢化対策の必要性への意識が高まっていることもあって、厚生労働省も2006年3月にようやく国としてマタニティマークを決定しました。


厚生労働省のマタニティマーク(文字入りバージョンもあります)

ちなみに厚生労働省によるマタニティマークの定義は以下のとおりです。

  • 妊産婦が交通機関等を利用する際に身につけ、周囲が妊産婦への配慮を示しやすくするもの。
  • さらに、交通機関、職場、飲食店、その他の公共機関等が、その取組や呼びかけ文を付してポスターなどとして掲示し、妊産婦にやさしい環境づくりを推進するもの。

このマタニティマーク、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、実は京都市でも「プレママ・マーク」として制作されており、母子手帳とともにバッジが配られたり、バス・地下鉄にステッカーが貼られたりしています。
…ですが、私が感じた限りでは残念ながら一般への認知度はかなり低いようです。せっかく作ったマークですから、市にはもっと認知率を上げるような取り組みをしていくことが望まれます。


京都市の「プレママ・マーク」

そして民間でマタニティマークの普及を目指している団体として、NPO法人チャイルド&ファミリー・フレンドリー・コンソーシアム(略称・CFFC)さんがあります。CFFCは妊娠及び子育て期間中に発生する精神的な負担を取り除き、「育児が楽しいものである」という社会的認知を促進させ、より良い家庭づくりや子どもを産み育てやすい社会を実現させることを目的として、2004年に育児関連企業が中心となって設立されたNPO法人です。このCFFCの活動の1つとして、マタニティマークの普及活動も行われています。CFFCではオリジナルのマタニティマークを制作するとともに、それを地方自治体などに配布するよう呼びかけたり、マークをストラップとして直接希望者に頒布したりするなど、様々な形で普及活動を展開しています。武蔵野市や東久留米市、関西では泉大津市などでCFFCのマタニティマークが採用されています。
過日、CFFCのマタニティマーク普及活動について、CFFC事務局の岸さんにお電話でお話を伺いました。
「妊娠することが負担にならないように、妊婦の環境を整えることが重要です。子育てを楽しんだり、仕事と両立したり……妊娠することへの不安が少なくなるように」
「妊娠しているときのつらさが想像できないのが問題です。マタニティマークに気づいて席を替わってくださる方ももちろん多いのですが、マークが目に入っても嫌がられることもあるようです。中には安定期に入った妊婦さんが、初期の妊婦さんと席を替わってあげたりなんていうことも」

妊娠した経験のない人間(男性は全員ですけど)は、なかなか妊娠しているときのつらさがわかりません。でもそれを知ることはとても重要です。妊婦さんの気持ちを理解して、社会として妊婦さんの環境を整えること、これはいつの世でも大切ですが、少子高齢化が叫ばれる昨今ではなおさら重要性を増していると言ってよいでしょう。


CFFCのマタニティマークとストラップ

CFFCでは厚生労働省がマタニティマークを決定したことを受け、制作しているマーク入りストラップの片面には従来からのCFFCのマークを、その裏側には厚生労働省のマークを入れ、双方のマークを活用しています。このマーク入りストラップ、希望者には200円+送料の120円で郵送もされているのですが、その支払いにはストラップ郵送後に切手でお願いしているとのこと。というのも、「切手を送付してもらう際に、利用者の方の声を聞くことができるから」だとか。利用者の方の声を集めて、妊婦さんの気持ちを一般の人に伝えるのも大事な役目。
「これからは鉄道やバス会社などに出向いてセミナーを開くことも考えています」
電車・バスなどを運営する側の理解もとても重要です。首都圏では厚生労働省のマタニティマーク決定を受け、鉄道事業者16社局によるマタニティマークの配布が2006年8月から始まっています。しかしそれ以外の地域では、まだまだ取り組みが進んでいないというのが現状ではないでしょうか。 妊婦さんのための環境作りは、社会全体で取り組まなければ効果を発揮しません。妊婦さんへの配慮の必要性とともに、マタニティマークの存在をもっと周知させる必要があるでしょう。知らないことには妊婦さんに協力する気持ちも生まれません。
そして自分が妊娠していることを示すことは妊婦さんにとって重要なのは当然ですが、周りにとっても示してほしいもの。せっかくの気持ちを生かすために……利用率が上がれば、自然と認知率も上がるはず。
まずはこれを読んでくださったみなさん、これからは電車・バスに乗ったらお年寄りばかりではなく妊婦さんにも注意!です。喫煙の際にも周りを要チェック!

(ひめの)

ストラップのお求めなどはこちらへ…

NPO法人チャイルド&ファミリー・フレンドリー・コンソーシアム(CFFC)
〒104-0045 東京都中央区築地 2-7-12-15 山京ビル6F
TEL・FAX: 03-3546-6686

その他のマタニティマークについては…

厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課
〒100-8916 千代田区霞が関 1-2-2
TEL:(03)5253-1111 FAX:(03)3595-2680
厚生労働省ホームページ:http://www.mhlw.go.jp/
京都市保健福祉局(健康増進課)
TEL:(075)222-3366 FAX:(075)222-3386
http://www.city.kyoto.jp/hokenfukushi/kenkozosin/
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