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ボランティア義務化!?

今年度から都立高校で奉仕活動が必修科目になったり、大学入学の時期を遅らせて大学入学前にボランティア活動の期間を作る話が出たりしていますが、そこまでしてボランティア活動を行う意味はあるのでしょうか。ボランティアも奉仕活動も、自発的に行うもの。強制的に・・・・・させられるのでは、社会的な労働力(?)は得られても、ボランティアの意識を根付かせることはできないように思えます。外国では、刑罰の処分として社会奉仕活動が科せられることがよくあります。強制的な奉仕活動は罰としての側面もあることから、なおさら疑問を抱きます。

“規範意識を身につけさせる”という目的があるそうなのですが、はたして上手くいくでしょうか。規範意識は、家庭や地域との関わりの中で身についていくもの。今の社会に規範意識が身につく要素が弱いから教育の現場で規範意識を身につけさせる… ということなのでしょうか? 家庭で身につかなかったことが、短期間の学生の間に身につくものなのでしょうか? 無理があるように思えてなりません。
ボランティアへのきっかけ作り という意味では、意味があるのかもしれません。何かしらのきっかけさえあれば、ボランティアや市民活動などに関わりを持ってくれる人はいるでしょう。しかし、そのきっかけが強制的なものであるならば、強いられることで嫌気が差し、ボランティアなどに反発感を覚える可能性も出てくるでしょう。

ボランティアや奉仕活動は、学校や国の指導で行うものではありません。個々人の自発的な思いがあって行われるものです。義務化された奉仕活動は、役(えき)に他なりません。

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