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フリーハグインタビュー

FREE HUG(フリーハグ)とは?

正式名称フリー・ハグズ『Free Hugs Campaign、Free Hugs』(以下 FREE HUG(フリーハグ))は、オーストラリア・シドニー市を拠点に2004年頃から始まった活動です。FREE HUG(フリーハグ)、日本語に直訳すると、『自由な抱擁』。FREE HUG(フリーハグ)は、街頭で見知らぬ人々とただハグ(抱擁)することで、苦しみや悲しみを少しでも和らげ、楽しさや幸せを分かち合い、その素晴らしさを他の人々にも伝えていこうという活動です。2006年にはミュージックビデオにもなり、またインターネットを通じて世界中に広まり、いまや社会現象ともなっています。(ウィキペディア参照)
FREE HUG(フリーハグ)の活動は世界各地へと広まっていますが、日本には友人とハグ(抱擁)するという習慣がないため、今ひとつ浸透しにくいようです。そんななか、海外の留学生活を経て日本に帰国してきた前田有加さんが、京都の街でFREE HUG(フリーハグ)の活動を行なっています。今回は大学生の前田さんに、FREE HUG(フリーハグ)を始めたきっかけや活動を通じて気づいたことなど、FREE HUG(フリーハグ)に対する思いを話していただきました。

FREE HUG(フリーハグ)を始めたきっかけは?

きっかけはYouTube(ユーチューブ)で海外でのFREE HUG(フリーハグ)の映像を見てすごく感動したこと。みんなハグしてすごく幸せそうだったのが印象的だったからですね。以前、海外に留学していた時に感じたことは、知らない人でも目があったらにこっと笑ってくれるということです。日本で一番強く感じるのは、街を歩いていてとても寂しいことなんです。みんな他人同士で目を全然合わさない。物理的には近いのに、人と人との心の距離がとても遠いと感じました。知らない他人同士でもハグし合うことができたら、何か大きな進歩になるんじゃないかと思い、難しいと思うけどやってみとう!と始めました。

※YouTube(ユーチューブ)
米ネットベンチャーYouTube社が運営している動画を共有できるインターネットのサイトのこと。会員登録をすると、誰でも動画をネット上に公開でき、また会員登録をしなくても無料で公開された動画を視聴することができる。(IT用語辞典e-words参照)

FREE HUG(フリーハグ)の活動はどんな感じ?

活動日は特に決めていないのですが、たいてい週末は京都の三条・四条河原町あたりで「FRRE HUG」と書いたスケッチブックを持って立っています。夜になると、日本の方も何人か集団でハグをしにきてくれますが、昼間は日本の方とほとんどハグすつことは無くて、外国の方が多いですね。日本にはハグをするという文化が無いこともあってだと思うのですが、日本の方でハグをしに来てくれるときは1人じゃなくて何人かの集団で来てくれることが多いですね。日によっては、1日に300人とハグする時もあるのですが、全く目を合わせてくれなかったり、相手にされないときもありますよ。でも私はハグすることは恥ずかしいことじゃないと思っています。人との距離を保つということは日本のいい文化かもしれませんが、寂しいと思っている人は多いと思います。ハグをもっともっとしたらみんなの気持ちがあったかくなるんじゃないかな。そんな中で気づいたことは、やっぱりこちらの心が閉じていたら誰もきてくれないということです。まずは自分が心を開いていたら、多くの人がかけよってきてくれるんだと気づきました。

FREE HUG(フリーハグ)をしていて嬉しかったことは?

ハグし合うと、みんながすごくいい笑顔になってくれることです。ハグをしなければ、全く関ることがなかったかもしれない人たちと関ることができるのがとても嬉しいです。人間同士なんだなあって思いますね。ハグした瞬間、相手の幸せを願えるんですよ。1日に300人とハグすることもあると言いましたが、その中でどれだけ1人1人のことを考えられるだろうって思いますね。
それと、ハグし合うとみんながすごくいい笑顔になってくれるだけじゃなくて自分もすごく元気になれるんです。ハグをすると人と人との間に壁がなくなると思います。外国では「ハグは与えるもの」という考え方があるかと思うのですが、私はハグは与えられてるというか…言葉にはしにくいのですが、もらえてるものだと思うんです。

FREE HUG(フリーハグ)をして印象に残っていることは?

街中でFREE HUG(フリーハグ)をしていると、外国の観光客の方も沢山きてくれるんですけど、とても喜んで積極的にハグをしにきてくれるんです。そのときに「Beautiful!」と声をかけてもらえることが多くて、それがとても嬉しかったですね。みんな疲れて歩いている人通りの中、1人でもFREE HUG(フリーハグ)をしていることへの賛辞だと思います。
特に印象に残っていることがあります。夜に四条の街中で1人でベンチに座っておられるおばあさんがいたので、「ハグしませんか」と言ってハグをしたんです。そしたらものすごく感動してくれて、泣いて喜んでくれたんです。そのことがものすごく嬉しかったです。
私はハグするときに、必ず何か声をかけながらするようにしています。ハグを売っているわけではないので、「ありがとう」って言うのは違うと思うんです。今もっと何かしっくりくる言葉を模索しているところです。「こんにちは」「お疲れ様です」「元気ですか」とかもいいかも。外国の方はよく「How are you?」と言いながらハグしてくれるのですが、すごく自然に相手のことを思いやれる言葉だなと感じますね。ハグと一緒にいい言葉を見つけていきたいと思います。

FREE HUG(フリーハグ)を始めて変わったことは?

FREE HUG(フリーハグ)を始めてから、色々なものが見えてくるようになりました。最初、日本の街を歩いているとみんな他人同士って感じがすると言いましたが、ハグをしてみるとみんなシャイだけど関り合いたいという気持ちを持ってるんだなあって感じるようになりました。関り合うことを喜んでくれるって気づいたんです。私も最初は1人でやっているんですけど、そのうち「自分もFREE HUG(フリーハグ)をしてみたい」という人がどんどん集まってきてくれるんですよ。沢山の人とハグを通じて友達になれました。私もハグをしているうちに元気がでてきて、それがハグを続ける原動力になっています。

今後の目標は?

今後はもっともっとこの活動を広めていきたいです。このFREE HUG(フリーハグ)を最初に始めたのは、オーストラリアのJuan Mann(ホアン・マン)さんという方だといわれているのですが、今そのホアン・マンさんがインターネット上で書いているブログを日本語に訳しているところなんです。今の世の中、人と人との心の距離がとても遠くて、心のどこかで寂しいと感じている人は多いと思います。ハグは人を笑顔にする活動で、ハグをみんながもっともっとして、知らない人たちともふれあっていったら、みんなもっとあたたかい気持ちになれるんじゃないかな。私の今後の目標は、FREE HUG(フリーハグ)の活動を1人でも多くの人に伝えていくことです。

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