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百聞は一見に如かず・第3回
「パラマウント・チャレンジ・カヌーinきょうと」

“人と人との心のつながり”

第3回にお邪魔させていただいたのはカヌーのイベント「パラマウント・チャレンジ・カヌーinきょうと」。
「パラマウント・チャレンジ・カヌー」は、1991年5月に第1回パラマウント・チャレンジ・カヌー全国大会(奈良・吉野川)が開催されて以来、吉野川、木津川、桂川、由良川で開催されています。
今年も、「人と人との心のつながり」を合い言葉に、京都府の和知町で11回目の「パラマウント・チャレンジ・カヌーinきょうと」が開催されました。

“前日から”

前日は、あまり天候もよくなく、風も強かったけど、京都府南部や大阪、名古屋、大分と遠くから30名以上の方が来られキャンプを楽しんでおられました。
そこでの夜の食事は、実行委員の方や、参加者の方が持ってこられたもので、鍋や焼き鳥、焼き魚、焼肉や、コロッケなどいろいろと美味しいものを頂きました。

“100名以上の方が・・・”

そしてカヌー当日、夜中に雨が降って中止になってしまうかと思いましたが、朝には雨が止んでカヌー日和になり、参加者とボランティアスタッフを合わせると100名以上の方が集まって来られました。
開会式、準備体操やグループ分けの後、いよいよ川に入ります。大勢のボランティアの方達が、一艇ずつ川に運び入れます。
僕は、橋の上に先回りして写真を撮りました。高さの低い橋があって、そこからの撮影はバッチリ。
ゴール地点では、テントを建てたり、昼食を作ったり、一足先にボランティアの方が集まって、カヌーの到着と、交流の準備をされていました。

“参加者の方とボランティアの方に話を伺うと”

何名かの方に話をお伺いしたところ、キッカケというのは、友達や知り合いがされていたとか、福祉施設でボランティアのことを知ったことが始まりだということでした。視覚に障害を持っておられる方にもお話を伺うと、川だけではなく海でもカヌーを楽しんだり、タンデム自転車と言う二人乗りの自転車にも乗っておられるそうです。
感想も伺いました。
交流が楽しかった、これからも参加したい、ボランティアの事を考えていきたい、とおっしゃられていました。
いろいろな障害を持った方達が来られていましたが、どういう障害を持った方でも楽しんで居られたので圧倒されました。
「障害者」という言い方は好きじゃない、とおっしゃられた方も居られたけど、本当に「障害」という言葉は当てはまらないように感じました。

僕自身は、京都ボランティア協会の事業以外の参加は初めてで、しかも一人で取材という役だったので、緊張や、不安もあったけど、これまでとは違う見方・接し方ができて、よい経験になったと思います。

“以下はパラマウント・チャレンジ・カヌー実行委員の酒伊様からいただいたメッセージです。”

『パラマウント・チャレンジ・カヌー』とは、
「最高の自己実現」に向けてチャレンジしてほしいという意味。言葉を換えれば、カヌーを通して人生を楽しむことにチャレンジしてほしいという考えを表現したものです。

近年のアウトドアスポーツの隆盛にもかかわらず、なかなか私たち障害者の参加できる機会がないのが現状です。しかし、それを打ち破るかのように1991年5月、日本で初めて障害者カヌー教室(パラマウント・チャレンジ・カヌー)が、奈良県吉野川で開催されました。また、1992年には京都で第1回パラマウント・チャレンジ・カヌーが開催されました。川面からみる両岸の迫ってくるような岸壁の美しさ、みずすましのように川面から近いところで見る川の流れや川底、そんな自然の美しさにこんな「おもしろいこと」はみんなに広めなければと、1992年以降毎年パラマウント・チャレンジ・カヌーを開催してきました。

京都からそれぞれ参加していた車イスの2名が、そこで出会いました。初めてカヌーに乗り、川面から見る両岸の迫ってくるような岸壁の美しさ、水すましのように水面から近いところで見る川の流れや川底。そんな自然の美しさにふれて2人は京都でも是非この教室をやろうとゆめを語り出しました。自然の美しさ、厳しさをできるだけ多くの障害をもった仲間に知ってもらいたい。カヌーを身体障害者スポーツとして普及、定着を目指し、自分たちの可能性にチャレンジし、また潜在能力を見いだし最高の自己実現にチャレンジする精神を持ってもらえるように、この教室を企画しました。そしてこの教室が、回を重ねるごとに多くの人たちとの出会いの場に、そして、協力のなかで障害者に対する理解や社会参加について考えていける場になっていくことを私たちは願っています。

1995年には、「障害者カヌー協会」が設立され、今や北は北海道から南は九州まで、それぞれの地域でパラマウント・チャレンジ・カヌーが企画、実施され、障害者カヌーは確実に全国に根を下ろし定着しつつあると思います。

障害に関わらずより多くの人たちが、アウトドアの楽しさを知ってもらえればと願っています。また、この多くの人との関わりの中で、障害に対する理解や、障害を持つ人の社会参加について考える場になればいいと思っています。

なにはともあれ、パラマウント・チャレンジ・カヌーに参加してみて下さい。そして、いっしよに遊びましよう!

パラマウント・チャレンジ・カヌー実行委員会
(障害者生活支援センターらくなん内)
メンバー数男性5人(うち学生1人)
女性5人(うち学生2人)
主な活動実行委員会…大会にむけて、カヌー体験などの企画も考えています。
活動時間毎週水曜日 午後7時〜9時
場所京都市洛南身体障害者福祉会館(九条御前下ル100m西側)
住所京都市南区吉祥院西定成町35
連絡先TEL(075)692-1139 担当:酒伊・江村
URLhttp://www.normanet.ne.jp/~rakunan/
募集にあたっての条件(性別)不問
(年齢)大学生以上
(経験)不問
(ボランティア負担)交通費
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