あゆの実習日誌「あゆのガイドヘルプ入門」
この文章は、佐藤将来さんの文章を基に作成いたしました。
従前に引用を明記しなかったことをお詫びいたしますとともに、使用を許可して頂いた佐藤さんに御礼申し上げます。
http://ha8.seikyou.ne.jp/home/syoki/masaki/
〜視覚障害者編〜
<ヘルプの目的>
- 利用者の自己決定・自己選択を促進し自らの問題を解決する力を身に付ける事が出来るように支援する。
- 利用者が必要とするサービスを提供する事により、利用者が健康で安定した日常生活を、地域の中で営む事 が出来るようにする。
- 日常生活の中で利用者が自立した生活を営む事が出来るように支援する。
- 初めて出会った時には挨拶をして自分の名前を名乗る
初めて出会った時は、「初めまして。おはようございます(時間によってはこんにちは、こんばんはなど)。今日案内させていて頂く、○○と申します。少しの間ですが、宜しくお願いします。」と気軽に挨拶するのが良いです。初めて出会った人に自己紹介するのと一緒です。なお、いきなり無言で腕や白杖を引っ張ったりするのは駄目ですヨ!! - つかまってもらう所をお聞きする −左右どっち?肩・肘・手首のどこ?−
介助者の右側が良いか、左側が良いか訊ねて下さい。あと、つかまってもらう場所は基本的には肘の辺りですが視覚障害者の方の背が高い場合には、肩につかまってもらったり、背が低い場合には、手首につかまってもらったりする事もあります。ですが、背の高さによって人それぞれ好みがありますので、それに従うようにして下さい。また、失明して間もない方とか、中途失明された方などの場合、手を繋ぐのを好む方もいらっしゃいます。
※ガイドヘルプをする人は、視覚障害者の半歩斜め前を歩くようにし、常に二人分のスペースを確保するように心がけて下さい。 - 階段やエスカレーターでの介助
近づく時は正面から。手前に来たら立ち止まる。左右どっち?上りか下りかまず、階段やエスカレーターの手前まで来たら、いったん止まります。それと、踏み外す恐れがありますので、斜めにではなく正面から近づくようにして下さい。乗り降りの方法では、一緒に乗るか、別々に乗るかを訊ねて、その方の習慣に合わせて下さい。「1,2、の3」や「いっせいの、せ」と掛け声を掛けると乗り易いです。また、終わりの時は必ず「終わりです」と一言添えて下さい。 - 歩行する際に −慣れない土地ではわざと点字ブロックを希望する事もある−
視覚障害者本人が一人の場合、点字ブッロクを利用して歩く事がありますが、ガイドヘルパーと一緒の時は,点字ブロックの上は歩き辛いので避けて欲しいと言われる事があります。但し、土地勘のない所では、不安感もあるので点字ブッロクを好む方もいるので、一言「近くに点字ブロックがありますが、その上を歩かれますか?」と一言添えると良いでしょう。 - 目の見える人に心がけて欲しい事
・ 前を見て歩く事
・ 点字ブロックの上に物を置かない事
・ 駐輪禁止の場所に自転車やバイクを置かない事
・ 自転車に乗ったまま歩道を歩かない事
・ 階段やエスカレーター、出入り口に立ち止まって話さない事
・ 乗り物の乗り降りについて…降りるのが先で乗るのは後
とりあえず、気をつけて欲しい事を挙げてみました! こっちが目配せすると、気が付いて避けてくれる人もいますが、まだまだです・・・
★ あゆのガイドヘルパー体験記★
「Sちゃんと運動会へ行くの巻」 5月○日 (日) 曇り少し寒し・・・
運動会だというのにこの日は、あいにく天候が思わしくない…頼む!雨様降らないで〜!
待ち合わせ場所は、とあるコンビニエンスストアー。Sちゃんはお母さんと現れた。Sちゃんは弱視。23歳の女性で私(20歳)と年齢も近くとても明るい人だ。まずは自己紹介から☆「亜由美って可愛い名前だね」とSちゃん。ありがとう☆。そうしている間に送迎バス到着―Sちゃんはニッコリして私の腕を掴んで嬉しそうにバスに乗り込んだ。バスの中でいっぱい話をした。今日の運動会の事や趣味の話、食べ物の話、恋愛話だってね!Sちゃんずっと運動会楽しみにしていたらしい。凄くウキウキしていた。
会場に到着―何に出場しよう?「やっぱ、パン食い競争は外せない。」とSちゃん。色々悩んだけど、4つの種目に出場したのだ。宝探し競争とパン食い競争、玉入れ、絵合わせ競争、ぐい飲み競争・・・ん?食べ物系の競争が2つ!!私も一緒に走ったよ。手繋いで仲良くね。最後になった競技もあったけどそれもОK!どの競技も凄く楽しかった。けど…疲れた運動不足?それとも歳?と二人で大笑い。お弁当も全部食べたし、商品も貰ったし満足×2。「えっ!もう閉会式?早すぎるよ」と2人。雨が降らなくて良かったな・・・
帰りの送迎バスの中―「今日は凄く楽しかった!来年も出るよ。亜由美ちゃん次も私のガイヘルしてね。次は大丸一緒に行きたいな。」とSちゃん。「ウン!楽しかったね。絶対に大丸行こう。」と私。帰りはきちんと、Sちゃんの家まで送り届けた。それがヘルパーの任務。Sちゃんは、真っ先にお母さんに今日の報告を嬉しそうに話してた。安心★★★
そんなこんなで、楽しい1日でした。
最後に・・・ ガイドヘルプは正直、責任感ある事だ。しかし、活動中の利用者の楽しそうな満足した笑顔や話を聞ける事が、とても嬉しいし励みになる。一人で外出するのは不安のある視覚障害者の案内をする事で楽しんでもらう事や目の見えない人には出来ないだろうと思われている事も一緒になってこなす。そんな、その人らしい生き生きとした生活を支援してあげようじゃないか!!
時間の余っていらっしゃる方、あなたの時間をほんの少し分けて頂きませんか?
by川口亜由美(立命館3回生)