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Why do we need volunteers now?
Vol.1「考えたことありますか?」

あなたはボランティアする人ですか? しない人ですか?

これを読んで下さっている方の多くは、既にいわゆるボランティア活動をしているか、近い将来携わってみようという方々だろう。といっても、別にこの見出しはボランティアをしている人を肯定しているわけでも否定しているわけでもない。逆にしていない人を否定も肯定もするつもりもない。

ではどういうつもりかというと、なぜそうなのか、を考えてほしいということである。なぜ自分は今ボランティアをしているのか。もしくはなぜしていないのか。ただボランティアと一口に言ってもその定義は必ずしも定まらないだろうから、しているかどうか微妙という方もおられるだろう。そのような方は、なぜ今自分はそのような状況に置かれているのかということを考えてみてほしい。

「ボランティアをする人」についてみるとどうだろうか。例えば既にリタイアされた方であれば、これまでの経験を活かしたい、空いた時間を有効利用したい、などの理由が考えられる。また学生であれば、社会経験を積みたい、色んな人と出会ってみたいなどだろうか。場合によっては、気になる人が誘われたからという不純な(?)動機もあるだろう。

さらにもっと漠然と、人の役に立ちたいとか、生き甲斐がほしい、という方も案外多いのかもしれない。

このように、既に「ボランティアをする人」であれば、普通は何らかの動機があってやっているわけで、程度の差こそあれ、それなりの理由というものを見出しやすいと思う。

では、「ボランティアをしない人」はどうだろう。これも色々なパターンがありそうだが、「ボランティアをする人」に近いパターンから整理してみたい。まず、ボランティアに興味はあるし、やろうと思えばやれるけれど、今一つ踏み切れないパターン。その理由としては、きっかけがない、自信がないなどが挙げられるだろうか。次に、興味はあるけれど、時間的場所的事情などで参加ができないパターン。特に現役の社会人の方に多いだろうか。

そして、ボランティアの話は聞いても、特にボランティアを否定するわけではないが、参加したいとまでも思わないパターン。気恥ずかしさが先立つ場合、金にならないことは積極的にしようとは思えないなど。若い人の場合(って、自分もまだここに分類されるつもりなのだけれど)、この辺が一番多いのではないか。

さらに進んで、ボランティアをもはや軽蔑しているパターン。積極的に否定するまではいかなくても、偽善者ぶっちゃって、ふふん、みたいな感じが多いだろう。

はてさて、このようなボランティアに対する態度の違いは一体どこから出てくるのだろうか。このあたり、ボランティアの必要性・効用に対する考え方から出る部分が大きい気がする。

ボランティアはなぜ必要とされるのだろう?

ボランティアは、実は単に人件費・人手の不足を補うだけに必要なのか。災害時に顕著なように、行政の力不足を補うだけの存在なのか。それともボランティアはそれ独自の、積極的な価値を有しているのではないか。とすればそれはどのような価値なのか。

ボランティアに対する人々の態度には、その人たちのボランティアに対する主観的な価値が表れている。その価値を検討していけば、ある程度客観的な価値を見出すことができるのではないか。

このような観点から、このスペースをお借りして、次号以降論を進めさせていただきたいと思う。

(Y・H)

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